ご参加下さった皆さん、ありがとうございました。ご協力に感謝致します。
◆日時:2025年3月29日(土)13:30~15:00
◆参加人数:4人
◆ドネーション額:10,000円
(「第16回ひとときカフェ」のドネーションと合わせて)
・10,000円をAMDA社会開発機構にお送りしました。ホンジュラスの妊婦さんたちの応援にご活用いただきます。
◆ファシリテーター:岡本幹子

種を蒔く#602 2025年4月5日
岡本幹子からあなたへ
「第2回セルフコンパッションを深めるための呼吸とやさしいタッチ」を終えて
3月29日、桜の開花が各地で伝えられる中、予期せぬ寒の戻りで空気が冷えた奈良の地でセルフコンパッションを深めるためのワークを行いました。場所は「SHARE HOUSE little trees」古民家をリノベーションされ、外の光が届いて自然な明るさがあり、すがすがしい空気で満たされている空間です。木の香り、通気の良い漆喰壁、元のまま残された柱や欄間、飾り棚、ガラスの戸などから続いてきた暮らしを感じることができます。座るだけも癒される居心地の良さを感じながらスタートしました。
1 セルフコンパッションを深める優しいタッチ
コンパッションとは一般的に「思いやり、慈悲、慈愛」と訳されますが、「Com」は「共に」「一緒に」「Passion」は「情熱」「感情」であり、「ともに感じる、感情を分かち合う」という意味が背後にあります。悲しみや痛みについてもあるがままに受けいれ、ただただ寄り添い、心の安定を促すのです。
セルフコンパッションは、思いやりや慈しみを自分に向けて、今ここの自分に寄り添い、唯一無二の自分、かけがえのない存在である自分に気付くことなのです。コンパッションが高まると、「心が安定する」「今ここにいる幸せを感じる」「他者に優しくなれる」と言われていて、外からの情報に大きく揺れがちな毎日を少しでも心穏やかに過ごすために、そのスキルを身につけておきたいものです。
その一つとして「やさしいタッチ」をあげる理由として、未熟な状態で生まれる人間の特性があります。人間の赤ちゃんは、人の手でとりあげられ、衣食住の細やかな世話をされなければ生きていくことができません。赤ちゃんの時に大事に抱かれた子どもの皮膚には、「心地よい」「あたたかい」「ほっとする」といった感覚が備っています。そのうえで危険な接触を「嫌だ」と感じ、「拒む」「逃げる」という判断の力になるのです。人間のからだは、信頼できる人に優しく触れられることの心地よさを生まれた時から知っています。このことから心に優しいタッチは心の安定につながるのです。
まずは自分に優しく触れてみましょう。
ワーク① やさしいタッチ
・グランディング
座骨を大地に根付かせ、骨盤を立てて背骨は頭頂へ、頭頂は空へ向かうイメージで座る
・深呼吸
鼻で吸って口でハアーと吐き出す
自律神経のバランスを整える
・バタフライハグ
自分で自分をやさしく抱きしめてみる
肌のぬくもりや心臓の鼓動を感じながら、からだに感謝する
・全身を軽く丁寧にタッピング…トントントン
・肩回り、首周りをほぐす
肩甲骨の動きがよくなる
血液循環をよくする
・全身を優しくストローク
気持ちが落ち着く感覚を得る
・再びグランディング
内側にある静けさや希望の光に気付く
呼吸を整えよう
・胸の前で合掌(合掌は世界共通の祈りのポーズ)
すべての営みに感謝し、存在を幸せに思う

2 マインドフルネスを高める呼吸法
心の安定を促すスキルとして「マインドフルネス」というワードがあります。もともとは仏教の教えで悟りを開くための瞑想などを表すものですが、現代的には「今ここの瞬間を体験に意図的に意識を向け、評価をせず、ただただ観る、感じること」と定義されています。過去でも未来でもない「今ここ」の「身体的感覚」や「思考」「感情」を同時に意識し、自分自身を見つめることで、外からの刺激、周囲の情報に揺れ動く思考から脱却し、ありたい自分に気付くとともに平常心や心の静けさを保つ方法の一つです。
失敗や後悔は過去のこと、不安や葛藤は未来に向かって生じる意識です。過去でも未来でもない「今ここ」を五感で感じましょう。頭の中をめぐる考えや感情についても「ああそうなんだ」と受け止めてみましょう。
人は何気なく過ごしている時に、何かしら物思いにふけっている特徴があります。この思考の中に強い不安材料が入り込むと、そのことばかりが頭にあふれて感情が揺れ動き、思考が破綻してしまいます。その結果、うつ病などを発症してしまうこともあるのです。頭の中をめぐる思考は、何かに集中することでいったん止めることができます。いつでも自分自身に戻るために集中する方法を知り、練習しておくことが大切です。まずは、自分の呼吸に意識を向けてみましょう。何気なく続く呼吸の吸う息、吐く息を意識的に行いましょう。
ワーク② 意識的な呼吸
・グランディング
座骨を大地に根付かせ、骨盤をたてて坐る。背骨は頭頂に向かい、頭頂は空に伸びるイメージ
肩、眉間、口もリラックス
・自然な呼吸
・腹式呼吸
鼻でたっぷり息を吸ってお腹を膨らませる、鼻でゆっくりと息を吐いてお腹を背骨にひく
・吸う息より吐く息を長く、できれば2倍に
・サンキュウ呼吸
3で吸って9吐く
副交感神経が優位となり、リラックスをより感じる
・カパラバーティ呼吸
力強い呼吸法
吐く息で腹部を強く引く
一定のリズムで約30回
ワーク③ 呼吸とともに体を動かそう
・首を回す…吸って上方向、吐いて下方向
・両手をあげて、背骨をねじりながらおろそう…吸ってあげて、吐いておろす
・両手をふわっと両側からあげて頭上であわせ、両側におろす…吸ってあげて、吐いておろす
・動きをとめて胸の前で合掌
3 再び心にやさしいタッチで「今ここ」を感じる
・今ここに存在する幸せに気づく
・すべての営みに感謝する
・仲間に感謝する
ワーク④ 感謝の気持ちで触れる
・グランディング
・胸の前で合掌
・全身を優しくストローク…ハートから始めてハートに戻る
・動きを止めて呼吸を整える
・胸の前で合掌
・静かに目をあけてアイコンタクトで仲間の存在を確認し、安心を共有する


今日、このすがすがしい空間で、皆様とともにセルフケアの練習ができたことに感謝します。
この後も皆様の穏やかな時間が続きますように…本当にありがとうございました。
※参加者の感想※
・日々の呼吸は浅く、深呼吸しても胸が開く感じがしない。でも意識を加えることで素直に吸い込むことができた。その感覚がとてもよかった。呼吸をしながらまどろむくらいのリラックスを味わった。気がつけば肩や首のコリがほぐれていた。
・花粉症がひどくて、目があけられない、顔がむくむなど最悪の体調であったが、呼吸して、声を聞いて、話に共感して、集中して…とてもよい時間だった。音楽も心地よかった。
・やさしい気持ちになり、力を抜いて自然に体を動かすことができた。自分のからだに向き合う時間になった。首筋が痛かったのが治ってきた。手術の痛みで会話もできない時、一人になって呼吸を続けていた。そのことを思い出した。
プロフィール:blue earth green trees ROUDOKUプロジェクトリーダー、元養護教諭、特別支援教育サポーター、blue earth green treesセルフコンパッションを深める呼吸とやさしいタッチ プロジェクトリーダー
種を蒔く:#590,582,573,563,560,544,543. 529. 518. 480. 464. 452. 441. 422. 364. 344. 313
2024年7月27日開催:『第1回セルフコンパッションを深めるための呼吸とやさしいタッチ』のご報告
ご参加下さった皆さま、ありがとうございました。
◆日時:2024年7月27日(土)13:00~15:00
◆参加者:4人
◆ドネーション:10000円
(第14回ひとときカフェのドネーションと合わせて)
•10000円を認定NPO法人テラ・ルネッサンスにお送りし、元子ども兵の社会復帰にご活用いただきます。
◆ファシリテーター:岡本幹子
種を蒔く#560 2024年7月30日
岡本幹子からあなたへ
「第1回セルフコンパッションを深めるための呼吸とやさしいタッチ」のワークショップを終えて
7月27日の午後、汗の止まらぬ暑さとはいえ、外国人観光客が増えて賑やかな奈良の地で、セルフコンパッションを深めるためのワークを行うことができました。せっかくの集まりということで室内環境を整えていただき、適温適湿、少し暗め、ヒーリングミュージックが静かに流れるという最高の居心地の中でスタートしました。
セルフコンパッションとは、文字通り自分で自分を慈しみ、思いやるという意味。コンパッションが高まると「心が安定する」「今ここにいる幸せを感じる」「他者にも寄り添える」と言われています。情報量が多く、煩雑な現代社会をより穏やかに自分らしく生きるために、まずはありのままの自分を受け入れることができたらどんなにいいだろう、そのためにどうしたらいいのかと私なりに模索し、いきついたのが「やさしいタッチ」と「呼吸」でした。このことは、長年勤めた養護教諭の職業観からでもあり、ライフワークとして続けているヨガの練習で体感したこと、学んだことによると言えます。
養護教諭は学校の中で、子どもたちの健康の保持増進を図るという専門的な職務を担っています。その職務内容は、健康診断、その結果のフィードバックと管理、救急処置、保健教育、相談活動と多岐にわたります。特に子どもの心身の不調に対応する場合には、熱を感じたり、脈をはかったリ、痛みの程度を確かめたりするために直接皮膚に触れます。またゆっくりと話を聞いた後に、背中に手を当てて「パワー注入したよ」などと言って教室に送り出すこともあります。それらの触れる効果を実感する中で、もっと知識や技を深めたいと思い学んだのが、NPO法人タッチケア支援センターの「こころにやさしいタッチケア」という講座でした。
なぜ、「やさしいタッチ」がセルフコンパッションを深めるのか。その根拠はヒトの著しく未熟な誕生にあるといわれています。一般的に母親の胎内で十月程育まれた胎児は、出産後も一人で生きていくことはできません。泣いて知らせるとやさしく抱かれてあやされて、食事、排せつ、清潔、睡眠・・・生活のすべての世話を受けて、手のぬくもりを感じながら育てられます。専門家は、お腹を満たすのと同じくらい。触れられる感覚は重要だと言います。赤ちゃんの時に大事に抱かれた感覚が、身近な大人、特に母親との「基本的な信頼関係」「愛着関係」を形成し、その後の人間関係や社会への信頼感を育成するうえで大切なものと言われているのです。適切に抱かれた子どもの皮膚には、「心地よい」「あたたかい」「ほっとする」という感覚が備わります。そのうえで危険な接触を「嫌だ」と感じ、拒む力になるのです。ヒトのからだはやさしく触れられることの心地よさを生まれた時から知っている…だから安心安全の空間でやさしく触れることが心の安定に効果的と言えます。
ということで、参加のされた皆さんと一緒に自分で自分のからだをなでてみました。マットの上であぐらの姿勢をとり深呼吸を3つ。そして手のひらを合わせた後、鎖骨、肋骨、腕、肘・・・。呼吸をしながらゆっくりやさしく手のひらをおいていきました。次に、腕を胸の前で交差して肩を抱くバタフライハグをして、「いつもありがとう」と感謝の気持ちを囁き、右手でトントントン、左手でトントントン。再び胸からお腹、太もも、足首となでて、来た道をもとに戻ります。まぶたを閉じて、呼吸を続けて、手のひらの感触を味わいながらなでていきました。最後は手のひらを胸の前で合わせて合掌し、休憩に入りました。
休憩中は水分、糖分をとり、音楽に耳を傾けて過ごします。「自分のからだをさわって、あらためて痛いところに気づいた」「大人の愛情に包まれる安心感を知ることは大事」「ほっとした」「カーテン越しに見える木の緑、入道雲をやさしく眺めた」といった声が聞こえてきました。
休憩の後は、外側に向きがちな意識を自分の内側に向け、心の安定を図るために呼吸を深める体験をしてみました。これは、ヨガスタジオに身をおいて仲間とともにヨガの練習を行う中で、私自身が学び実感してきたことです。あぐらの姿勢を安定させて、肩、眉間、口元をリラックスさせ、まぶたを閉じて、今ここに存在する自分に集中します。まずは自然な呼吸を続けて落ち着き、腹式呼吸の練習、そして吸う息より吐く息を長く、できれば2倍にカウントします。
その後呼吸に合わせた体の動きを加えてみました。伸びているところ、縮んでいるところはどこ?感じはどう?気持ちいい?痛くない?問いかけながら動いた後は、何もしない、何も考えない時間を味わい、静かに終わりました。
「なんだか眠くなった」「安心して大の字に横たわれて気持ちよかった」「すごくよい時間だった」とやさしい笑顔があふれ、とても幸せな気持ちになりました。皆さま、一緒に過ごしてくださってありがとうございました。感謝です!
プロフィール:blue earth green trees
ROUDOKUプロジェクトリーダー、元養護教諭、特別支援教育サポーター
種を蒔く:#544,543. 529. 518. 480. 464. 452. 441. 422. 364. 344.
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